【ペヨーテ】
主成分 | メスカリン(mescaline) |
投与方法 | 経口投与。 天日で乾燥させたペヨーテの頭部(メスカル・ボタンと呼ばれる)を3〜4個をガムのように噛む。 或いは抽出したメスカリンを静脈注射。充分臨床的効果を与える量は体重66kgに対し500mg以上。 |
効果 | 幻覚(視覚・聴覚)作用。 特に視覚に対し効果が顕著であると云われている。様々な主観的影響・客観的影響が見られる。基本的な生理的変化は交感神経系が軽く興奮した時の典型的な状態と同じである。瞳孔を拡大し、末梢細動脈を収縮し、心臓を収縮し血圧を上げる。脊髄反射の興奮性を高めることもある。主観的影響である視覚的効果は眼を開けていると光と空間の知覚が変化し、色彩が生き生きと輝くように見える。視覚に対する効果は眼を閉じたときにさらに強いものとなる。聴覚にも複雑な幻覚が起こることがよくある。経口摂取した場合、効果は2〜3時間で現れ、12時間以上持続する。静脈注射による摂取の場合、数分で効果が現れる。 |
耐性・依存 | 生理的耐性を生む(LSDに比べその速度は遅い) |
備考 |
メスカリンは、メキシコ原産サボテン、ペヨーテ・サボテン(lophophora williamsii)(日本名:烏羽玉(ウバタマ))から採れるアルカロイド。烏羽玉は一般の園芸店で売られている。弾力ある肉質で、大福餅のような形。濃緑色の地肌に白粉を一面に吹き、とげはなく、所々に 白い羊毛束が生えている。成球で8〜10cm位。高さは3cmほどになる。たべるととても苦い。そのアルカロイドの分子構造は、副腎ホルモンのエピネフリン(epinephrine)と関係のある事が 解っている。エピネフリンは副腎髄質ホルモンにしてアップ系の脳内神経伝達物質であるアドレナ リン。メスカル・ボタンは根より上部を3から4枚に分割し、それを天日で干して作る。急激に 摂取すると化学反応を起こし嘔吐するため、服用の際はゆっくりと少しずつ。胃に不快感を齎すため、 これを避け直腸より吸収する方法を採る人もいる。国内に於いて、ペヨーテは合法である。ペヨーテは、古来から宗教的儀式にしばしば用いられていた為、米国ではネイティヴ・アメリカン・ チャーチと呼ばれるペヨーテ教会の集まりが反ペヨーテ法の撤回を幾つかの州に於いて実現している。幻覚発動薬(hallucinogens)の分類を受ける。 |