【オピエート(阿片、モルヒネ(morphine)、ヘロイン(heroin))】
主成分 | 芥子(パパベル・ゾムニフェルム)に含まれるアルカロイド。(アヘンの主成分の約10%) |
投与方法 | 鼻孔吸入が主流。静脈注射。 初回量は2〜5mg(常用していると耐性を生じ、必要量も逓増する)。一回極量は20mg。致死量は100〜200mgとされている(半数致死量は500mg)。 |
効果 | 不安・恐怖・焦燥感などが無くなる。痛覚だけを抑制し麻酔剤・鎮痛剤として用いる。量が多ければ有毒。急性中毒の場合は、ふるえ・めまい・吐き気などを伴って、しばしば呼吸中枢の麻痺により急死する。鼻孔吸入による投与では10秒足らずで効果が現れる。 |
耐性・依存 | アルコールと同程度に耐性を生じる。身体的依存性/精神的依存性ともに生じる。習慣性が著しく、慢性(長期慣用)中毒の場合は、貧血・全身衰弱・胃腸障害・幻覚などを来し、禁断症状が強い。 |
備考 | 芥子(ケシ)から採れる物質の総称をオピエートという。阿片、或いは生阿片(オピウム)は、花が散った後に生ずるケシの未熟果(サク果、ケシ坊主、花莢)に傷を入れ、生じた乳汁を乾燥した黒褐色の粘土状の塊をいう。
この阿片から有効成分を分離したものがモルヒネ(morphine)と呼ばれる。 モルヒネをメチル化合物にしたものをコデイン(codeine)。モルヒネを無水酢酸とともに加熱し、鎮痛作用を十倍に強化したものをヘロイン(heroin)という。水に僅かに溶解し、無臭で苦みがある抑制剤(ダウナー)。 |