幻覚発動薬 Hallucinogens


【ヒロポン(philopon)】

主成分 塩酸メタンフェタミン(methamphetamine)(アドレナリンの誘導体)
投与方法 結晶の場合は蒸留水に溶かしたものを静脈注射によって投与する。その他、飲料に混ぜたり、喫煙による摂取も行われる。1回使用量は3〜300mg。尚、粘膜等への塗布による薬効もあり(性感昂進)。
効果 覚醒作用・興奮作用があり眠気や疲労感が取れて活気が出てくるので、病みつきになる。集中力が高まり、活動欲求が昂進される。周囲の人に監視・脅迫・殺傷されるといった被害妄想が多く、逃避したり傷害行為に及んだりすることがある。静脈注射による投与で5〜10分で作用が現れ、1〜3時間持続する。経口内服投与では15〜30分で作用が現れ、3〜5時間持続する。
耐性・依存 反復使用により急速に耐性を生じ、使用量が増加する。身体的依存は生じない。精神的依存を生ずる。1日10mgを2,3ヶ月静脈注射していると精神分裂様症状を来し、幻覚や妄想を生ずる。薬効は数時間で切れ、その後疲労感・倦怠感など不快な症状が残るので、これを除くために再び薬物を使用するのである。
備考 ヒロポンは商品名。中枢神経興奮作用を持ち、錯乱・幻覚・痙攣をおこす。スピード、S、シャブ、冷たいもの等と呼ばれるものはヒロポンと同じ覚醒剤(メタンフェタミン類)を指す。その形態には幾つかあり、氷砂糖の様な結晶個体を細かく砕いたものであったり、錠剤になっていたり、液体のものも出まわっている。我国では「覚せい剤取締法」の対象となっている。わが国で覚醒剤と呼ばれるものは殆どこれを指す。

 


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